北京で大坨頭文化期の二重環壕集落遺跡を発見

ソース:新華社作者: 2023-06-06 10:50

大坨頭文化「M77」墓の出土遺物。(資料写真、北京=新華社配信)

 中国北京市文物局はこのほど、市内の新宮遺跡で夏・商(殷)時期に属する大坨頭(だいたとう)文化の二重環壕(かんごう)集落跡を発見したと発表した。同文化の二重環壕集落が北京で見つかるのは初めてで、中華文明の多元一体性研究に考古学的実証を加えるほか、初期の北京を研究する上でも極めて重要な意義を持つ。

 新宮遺跡は豊台区南苑街道にあり、燕山山脈南麓の古代の永定河により形成された扇状地に位置する。北京市考古研究院が2022年に探査と発掘を実施した。

 現存する遺跡の面積は約4万5千平方メートルで、これまでに約8千平方メートルを発掘。異なる時期の遺構300カ所余りを発見した。遺構は主に大坨頭文化期の墓地や環壕、住居跡、窖穴(こうけつ)、灰坑で、他にも商代末期から西周時代の墓地と灰坑、窖穴(こうけつ)、両漢(前漢・後漢)時代の墓、遼・金時代の道路、明・清時代のかまど跡などが見つかった。

 遺跡は集落エリアと墓葬エリアからなり、夏代末期から商代初期の遺構が最も多い。集落地エリアは二重の環壕で囲まれており、土器や石器、獣骨などが出土した。土器には鬲(れき、煮炊器)や鉢、壺、尊(酒器)、甕(かめ)などが見られた。

 墓葬エリアでは竪穴土坑墓27基を発見。副葬品は主に土器で、玉玦(ぎょくけつ)やトルコ石のネックレス、赤メノウのビーズなどの重要遺物も含まれていた。中でもイヤリングの扣針形帯翼喇叭口金耳環(こうしんけいたいよくらっぱぐちきんじかん)と靴形足彩絵陶尊(かけいそくさいかいとうそん)は非常に貴重だという。

編集:董丽娜

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